長島町の一次産業に携わる人にとって、大きな一歩となった出来事

8月27日(日) 朝6:00にも関わらず、羽田空港は夏休みの利用者でごった返していた

都心部で活躍する料理人を長島町に案内して、生産者との距離を縮めてもらうシェフツアー

僕は旅行をするときに、最初に出会った人・モノでその地を好きになるか否か決まると思っている

シェフツアーを実施する時も一緒で、料理人からすれば【太田良冠=長島町のイメージ】である

だから中途半端なことはしたくないし、中途半端な人は紹介したくない。中途半端な仕事をする人なんてもってのほか

今回案内する料理人はそういうのを特に見抜く人だった

東京白金台【TIRPSE(ティルプス)】田村浩二さん

The World’s 50 Best Restaurants discovery series

Opinionated About Dining Asian Restaurant 2017

国内だけでなく海外でも評価が高いTIRPSEでシェフを務めている

田村さん自身も、レストランフウ、エディション コウジ シモムラ、ミラズール(世界4位)と名だたる名店で修行を積んできた方だ

僕はこれまで200人以上の料理人と話してきたが、1番衝撃を受けた方かもしれない。ちなみに、井上前副町長や土井統括官とほぼ同世代の32歳だ

笑撃のひと言

「僕ねぇ、料理人嫌いなんだよ(笑)」

車中、料理人に関する質問をしたら、開口一番で放ったのがこの言葉

思わず「へ?」と変な声がでた

詳しく聞いてみると、その言葉の裏にはこんな想いがあった

「料理だけしていれば良いと思っている料理人がとても多い。自分の考えを論理的に説明できて、相手に伝えて、動いてもらう技術を持つ料理人が生き残ると思う。それに、今の子供たちに自信を持って料理人という職業を勧めることができない。特にフランス料理に関しては、定期的に料理を変える必要があって、料理が消耗品扱いされている。料理はあくまでもコミュニケーションのツールであって、自分を表現するためのものでしかない。田村浩二という人間をお客様と直接話しながらプレゼンすることで、ファンを増やし、人脈や別の仕事の話に発展させていくべき。僕は料理人だけでは無く、香りのプロデュースなどを個人事業主&共同経営会社で進めている。レストランほど経営者や業界で活躍する方々が集まる場所は他に無いでしょ。料理の味付けや食材だけでなく、田村浩二というパーソナリティや哲学を話すべきだと思う。もちろんTPOや相手の雰囲気を察知した上で。」

今年始めに僕が講演した資料の一部がこれだった

サラリーマンがお金を払って異業種交流会に参加する中、料理人は自らの技術をフックにして感度の高いお客様が足を運ぶ場を提供している。もちろんシビアな世界ではあるが、多くのご縁がレストランには存在していると僕は勝手に考えていた

「僕らの世代で料理人の新しい働き方をつくる必要がある。だけどその為には1人では変えられない。これまで飲食業界を牽引してきたレジェンドシェフ達にも認めてもらって、引っ張り上げてもらう必要がある。仕事を振ってもらうくらい成長しないといけない。だからこそ、僕は大事にしていることがあるんだ。」

1. 料理人でもキャリアを考えて自分の履歴書に書けることを増やしていくこと

2. 誰もが認めるレストランで修行すること

3. その全てで実績を出して、飲食業界でのポジションを確立すること

「料理は面白いけどバックボーンが無い異端児では上の世代から認めてもらえない。何かあった時にチャンスを与えてもらえない。人生は、タイミングとご縁。だけどそのタイミングを掴むための準備(実績)をちゃんとしないといけない。どこまでいっても、学歴社会(過去の修行先)は料理人でもあるからね。学歴は関係ないと言う人もいるけど、それはそれ相応の実績があるから言えるだけで、無い人が言ってもただの負け惜しみにしか聞こえない。」

ハッとした。9月に入学する慶應義塾大学SFC 大学院への進学理由のうちひとつはそれだった。どんなに色々な取組みをしても、やはりまだ学歴という武器は持っておいたほうがいい。メディアも食いついて記事にしやすい。また、優秀な学生が多い大学ネットワークから仕事に発展する可能性もあり、チャンスだと思ったからだ

 

Vol.2へつづく

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