11月14日〜15日で、A級グルメのまち 島根県邑南町(おおなんちょう)へいってきました

きっかけは、NHKプロフェッショナル〜仕事の流儀〜でスーパー公務員 寺本英仁さんの活動を拝見して。人口約12,000人と長島と同じくらい

ただ、実施していることはまさに今後、長島が食のジャンルにおいて目指していきたい形でした

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A級グルメのまちの象徴 「里山イタリアン AJIKURA」

酒蔵を改修して、邑南町の食材を使用したコースを提供しているイタリアン。ランチ平均3,000円〜5,000円という価格帯で、料理・内観・外観・サービスで、総合的に付加価値を与えていると感じました

高級イタリアン「ジャッジョーロ銀座」でマネージャーをされていた佐藤サービスマンがお店に絶対的な安定感を与えていて、サーブ時には生産者さんの背景や食材の特徴をきちんと説明してくれます。お客様は、邑南町にいながら・邑南町で生まれた食材を・邑南町を知っているシェフによりベストに調理された状態で食べられます

決して安い値段ではないコースに、こういった付加価値をつけて、食べた後に胃袋だけでなく気持ちの面で満足感を与えることがお客様が絶えないお店づくりに繋がるのだと思いました

そして驚いたのが、3割は町民も食べに来るとのこと。地元にも外食文化が根付いていました

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町内外で活躍する「耕すシェフ・アグリ女子」

地域おこし協力隊の募集目的が、他地域とは違いました

耕すシェフと題して、都市在住の農林業や食に関心のある方が本町に定住し、 オーガニックの野菜づくりやバラエティに富む食材生産から加工、販売、さらには飲食店の調理・運営スキルの研修のコーディネートなど食材の供給から、調理・加工までを一貫して、ひとつの新しいビジネスとして創出できる人材を育成しています。

現在30名。この視察のきっかけとなった共通の友人を持つ横浜出身の松岡さんは耕すシェフの1人です。

町の畑では、BLOF理論(農業を科学的に考え、土から改善する農家の経営力アップを目的とした有機栽培方法)を活かしながら有機野菜を育て、AJIKURAや町外の一流レストランに卸すとのこと

「定住は30%でもあれば良いだろう」と言っていた寺本さんの言葉には、行政・町・協力隊が、任期後も継続的な関係を築いていくヒントがあるように思いました

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キッチンカーと実験レストラン「プチ ajikura」

耕すシェフは、3年間みっちりと生産〜調理〜販売〜経営までを学べる制度。それを実践で鍛えるのが、キッチンカーと実験レストラン 「プチ ajikura」でした

どちらも耕すシェフが考案したレシピでお客様に提供していて、特に実験レストラン「プチ ajikura 」では、原価計算からお客様への提供まで、すべて自分たちで考えて行っていました。町の生産者さんにフォーカスを当ててレシピを考案していくことで、食べに来る町民も自然と地元の食材を食べるという好循環が生まれます

前職のルクサ時代、よく耳にしていた言葉「調理師学校を卒業して飲食店に就職しても、すぐに食材に触れることはできない」。成功するかしないかは別として、独立してすぐにでもビジネスを創出したいという人に向けてもとても良い制度だと思いました

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邑南町立 食の学校

「お母さんのおにぎりより、コンビニのおにぎりのほうが美味しい!」

寺本さんがお子さんから聞いて、驚いた言葉だそうです。

AJIKURAが大人のための食育レストランならば、この「食の学校」はいわば子どもたちへの食育の場でした

邑南町の郷土料理を一から調べ上げ、それらを現代風洋食に昇華させて後世に伝えるためにレシピをまとめあげる。邑南町食材を使用した邑南町レシピを作り、定期的に町の子どもたちを対象に料理教室を開いています

町の食文化を100年後も残すために、大人だけでなく子ども世代から教育する環境が用意されていました

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邑南町に来て、僕が長島で感じていた外食文化浸透のズレが解消されました

この半年間の活動を通して、お母さん・お父さん世代の先入観や価値観を変えるのは容易ではないと痛感していました

が、子どもたちの世代から外食文化を底上げしていくことで、自然と外食文化に親しみが生まれ、職業の選択肢や味覚の多様性を持ったナチュラルビブグルマンが育つのだと思います

今後、長島町にレストランができた時に、洋食って美味しいんだ!という感覚を持ちながら食べに行ける様な教育環境を作っていきたいと思いました(長島町レストランは構想中)

小・中学校への食育、大人のための美食会の開催、辻調理師専門学校との連携を活かした人材流動

まだまだやれることはあるなー

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2 Responses

  1. 太田さん、先日は弊社(㈱JOAA)事務所に弊社監査役寺本とお立ち寄り頂きありがとうございました。
    弊社生産者が取り組んでおります、BLOF理論(生態調和型科学的有機栽培技術)についてですが―
    申し訳ありません、「農業を哲学的に…」では無く、「農業を科学的に」
    となります。
    今後とも邑南町の取り組みともども、宜しくお願いします。

    • すみません、教えていただきありがとうございます!修正いたしました。
      BLOF理論、とても興味深いお話でした。
      ぜひまた伺えればと思っております、今後ともよろしくお願いいたします。

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