消費される側か、それ以外か
「生産者は消費されている」
そこで出会ったのが、泰正養鰻の横山さんだ。
「横山さんの鰻」についてはこちらを読んでほしい。
横山さんはされる側ではなく、生産者と料理人の双方がWin-Winとなる関係を大事にしていた。
素材(食材)について、僕がお会いしてきた料理人達は口を揃える。
「素材の良さの上に、料理人の調理技術がある。」
生産者が”安心・安全・食味”の3点をクリアするために、生産過程に通常よりも苦労・コストが生じるのは当然だ。
しかし、”生じる”生産者が一般流通に卸すことは、”生じない”商品と同等に扱われ、値段も相場に左右される側となることを意味する。
横山さんは情報をオープンにして、価値観を理解し合える料理人にだけ、自ら価格設定して取引を行っている。
これは生産者の顔の見えない養鰻業界では恐らく日本初だ。
それだけリスクを負っている。
結果的に、料理人はより完成度の高い料理の”素材”を仕入れることができる。
Give&Give
その横山さんが絶大な信頼を置き、背中を預ける料理人が「日本橋 鰻はし本」の橋本正平さんだ。
70年以上続く老舗鰻屋の超イケてる4代目。
この二人の出逢いが、くいかごの「種」である。
横山さんと橋本さんは、日頃からSNSや電話で密に情報交換を行っている。
それもGive&Take ではなく、Give&Giveの精神だ。(恐らく本人たちはそんなことは考えていない、本能だ)
「信頼」
二人の間には確かな「信頼関係」が存在していた。
Give&Giveは相乗効果を生み、この信頼の輪が、sio(旧 Gris)※鳥羽周作シェフ、鮨職人 ※遠藤記史さんなど他の料理人達やメディア関係者にも拡がっていった。(※くいかご参加の料理人)
同じ価値観を共有する集団(コミュニティ)
それぞれが自身の人脈を紹介し合うことで、価値感にブレがない集団(コミュニティ)が形成されていく。
cocoromisoの石元淳平さんや金七商店の瀨崎さんもその一人だった。
横山さんと橋本さんの撒いた「種」が、8月1日(水)に一輪の花として開花することが決定した。
喰いこめかごんま。
ただし自己満足で終わるコラボイベントではやる意味がない。
目に見えない生産者と料理人の信頼関係を、何らかの形で社会にインパクトとして残すことが求められていた。
くいかご後に振り返ってみて、僕はこのように考えた。
Vol.3 へつづく
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